最近のテキスト:映画ニイチャン

3月下旬のある日  ナニ

 例えば。
 自転車の空気をぱんぱんに入れて走ってみた時に。
 「こんなに楽ならもっと早く空気をいれるんだった」って思ったり。

 例えば。
 研ぎたての包丁で野菜を切ってみた時に。
 「こんなに楽ならもっと早く研いでもらうんだった」って思ったり。

 例えば。
 出の悪いペンを放り投げて、新しいペンで書き出した時に。
 「こんなに楽ならもっと早くペンを変えるんだった」って思ったり。

 そんなことがもっともっとあるんじゃないかと、さくら吹雪きの下をぶらぶら 歩きながらちょっとうつむき加減で考えてみたんですけども。 つまり、今の僕の状態ってやつが、空気がやんわり抜けた自転車をこいでいたり、 刃のこぼれた包丁で料理していたり、 出の悪いペンで四苦八苦しながらなにか書いていたりという状態であるっていう 話しで。 つまり、 まだまだ知らない事がたくさんじゃないかって。 知ったらもう真っ先に「こんなにナニならもっと早くナニしておくんだった! このナニめ!」 なんて考えるような。 そんな事を。つまり「ナニ」の部分を。誰か教えてくれないでしょうか。 つまり。例えば後ろから「空気抜けてない?」って言ってくれたり。 「この包丁切れねぇ!」とか「出ないよこのペン!」って言ったりして くれないものかしら。 別に後ろからじゃなくて前から言ってくれても構わないんですけど。 誰か教えてよ。 んじゃないと、きっと気付かないままなんで。 なんて思ったり。 今年のさくらの花びらの色が、 なんだかいつもより少しばかりうすいような気がする からこんな事考えるんだ。きっとそうだ。



3月下旬のある日  

 いつだってそうなんですが、僕の場合一本のフイルムを撮りきるのにエライ時間がかかります。 そうそう、この間梅を見に行った時の様子はもうじきアップします。 あの時は比較的撮りまくったんで。 これみよがしに。 誰も見てなかったけど。 山奥でバイクで転んで大変だったけど。 一人だったし。 まあまあ、それにしても梅とさくらのタイムロスがこんなに短いのはめずらしいです。 まったく春ってやつは。 遠慮がないから。 そんな感じで久しぶりに写真を現像したら、 いつだかつくりまくったオムライスの写真がわさわさ出てきました。 はたして作りつづければ上手くなるかって事で、 オムライスの横にケチャップで数字が書いてあって。 あとから見ても、おもしろくもなんともない。

 そのほかにも「なにこれ?」な写真がいろいろあったんですが。 これは、たぶん、そうだ、 いやその、「千と千尋の神隠し」に出てくる「かおなし」に あまりにも似ていたから撮ったんじゃないかと思われます。 もうなにがなんだか。

             



3月中旬のある日  金曜日

 金曜日の雨はいいものだと思うようになってどのくらい経つのでしょうか。 なにせ金曜日はオヤスミの日ですから。 金曜日の朝8時には、隣りで家を建てている大工サンたちがガンガンゴンゴンと音をさせながら 動き回りはじめます。 僕が家にいない日も、こんな風に地球は回ってるに違いないです。 新聞の勧誘の人に、犬がワンワン吠えていたり。 家の前を、大量のヤクルトを搭載した自転車を 重そうにこいで行く人が行き来したり。

 そういうわけだから。 僕は誰に電話を掛けるでもなく(誰の予定を狂わす事もなく)、 誰かが電話一本で、僕の予定(昼ゴハンはアジの開き!豪華!) を狂わせてくれないものかと思ってみたり。 本当はパスタが食べたいのですが。 トマトたっぷりの。 タバスコは少々で。



3月中旬のある日  

 布団を干した日の夜は、なんだかいいことしたような気分になるのはなんででしょうか。  これって僕だけですか?  この間、将棋倒しになった自転車を戻すのを手伝って、 ありがとうって2回言われたあの日よりいい気分だったんですが。  それでもって、干したばかりの布団で寝ると、 布団の裏側でも誰かが寝てるような気がするのは なんでなんでしょうか。  いえいえ、そんなホラーな意味じゃなくて。  やっぱりこれも僕だけですか?

 今日は平日にかかわらず仕事が休みで、そんでもって今、朝の8時30分なんですけども、 山登りオフ がうらやましくて仕方ないんで、僕も今から、「そうだ秩父行こう」って 具合で秩父の山に行ってきます。  このあいだラジオで、「秩父の梅が満開ですよ!」って 言っていたものですから。



3月上旬のある日  マスクときみどり

 年々暖かくなってきた東京の冬も、啓蟄をすぎ本格的に終わりです、さようなら。  春は地面の方からやって来るんだと信じてたんですが、どうやらそれは 間違いかもしれません。  やっぱり、風から?なの?かな?とか思ったり。  それともマスクの白い色?から?などと無理やり思ってみたり。  なにせ晴れた日の白いマスクは眩しいもんですから。  ということは、太陽から?くるの?なんて。  にしても最近は普通の四角いマスクよりも なんだか先っぽがトンガっているようなマスクが多いみたいですが、 そこんところはやっぱり21世紀って事で。  なんとなく鳥みたいな、クチバシみたいなマスクが多いですね。  そういえばクチバシのことをキチバシっていうオジイサンを僕は知っています。 などと話しはそれる一方で。 それもまあ春という事で。

 僕はどうやら春はあまり好きではないみたいだっていうのに気付いたのは 何年か前なんですけど。  それでも今日みたいに晴れた日に、池の有る公園のベンチに座っていると、 缶コーヒーなんてなくても、いい「ホ」がでるような気がしました。ホー。  かなりネタ古いですが。たしかとんねるずでしたが。ちゃんとついてきてください。  それでもって、去年よりいささか伸びた身長で見た柳の新芽は 僕の知っているきみどり色よりもきみどり色で。  きみどり色っていうのは柳の芽の色だと。  今日からそういう事にしておきます。  それでもってその公園には、 「どうする?もうそろそろ帰る?」って 顔をしたカモが、 柳のきみどりっぷりに感心するふうでもなく、並んで浮かんでいましたとさ。



3月上旬のある日   東京上空168.7cm

 会社の健康診断ため、皇居の外堀の見える所まで行きました。 行ったというほどでもないですけど。 かなり近いし。 防衛庁の前には、社会科見学で来たらしい中学生がたくさんいました。 防衛庁ってなんかくれるのかな。 僕が覚えている社会科見学は、明治製菓くらいです。 なにせカールとアポロもらいましたし。 そうそう、わたしはどうやら、なんかもらったりした事やしてもらった事、 ものすごく覚えているタチみたいで。 そんなこんなで、今日はダテに予報最高気温16℃ だったわけではなかったようで、 道行く人にコートの人はいませんでした。 散歩している犬も、ダーっと舌を出したりして。 花粉症の犬はいないのかしら? と思いながら受けた健康診断では ささやかに身長が伸びていました。 168.7cm。

縮んだりした日にはほら、サイト名かかってますから。

今日の一言:ボートに乗りたい。



3月上旬のある日  

 を 更新しました。  そいういうわけです。  どうぞよろしくお願いします。

 今日は好きな店で、好きな絵本を立ち読みしました。 結局買わずじまいでしたけど。 本屋を出る階段を上りながら、今度はアレ買おう、 うーんやっぱりあの本買えばよかった、なんてことから、 自分はもうちょっと思いきりがヒツヨウだ、なんていう ことをいささかおおげさに考えながら歩いていたんですけれども。  そうこうしているうちに、 一人じゃ入りにくいんだよね、入れないよね、 と前々から思っていたジャズ喫茶の前を通りかかって、 よし今日は入ってやろうと思ったわけなのです。  そして少々へっぴり腰で細い階段を登っていくと、店の前には1枚の張り紙が。

 平成14年2月11日をもちまして、〇〇〇は閉店させていただきました。 30年間のご愛顧ありがとうございました。

 あーあー、30年もやっていたというのに!
 思いきりとタイミングはカラマワリすることが多いです。
 今度本屋に行ったら、あの絵本売り切れてそうだなあ。



3月上旬のある日  

わたしは沈丁花が

わたしは沈丁花が
咲いているのをみつける
あの数秒の時間が
          好きです。
わたしはうつむいて
今日いちにちはどんな風になるのだろう
きのうのわたしのらんぼうな 言葉は
きのうのちいさな雲のように
もうあのひとの
ぼんやりした
こころの空から消えたかしら
保健のおばさんはまた今日も
こんにちはって
わたしの山羊座の未来を語りに
くるのかしら
かんがえながら
バス停にいそいでいます
するとにおってきます
塀の
かげの藪と
なかで藪と
おんなじ色の葉っぱのなかで
             くすんで。
わたしは沈丁花が
(藪のなかでも外でも)
つよくにおって
咲いているのをみつける
この数秒がとても好きです。

辻征夫



 休みの日、机を探しに出かけた吉祥寺の、 路地の裏の裏で(こういう場所にはたいがい猫がいます)、 沈丁花の匂いが僕の方に流れてきて、 花はどこ?と思った時に思い出した詩。 まさにまさにこんな感じ。 花は藪の外でしたが。

 さらに今日僕が思ったのは、 沈丁花の匂いがする路地にいる猫ってヤツは、 あんな風に知らん顔しているけれども、 内心、 真っ先に沈丁花のありかを見つけていて得意がっているんじゃないかっていう、 そんな疑惑。

追伸:机を買いました。



3月上旬のある日  

 3月になったなんて信じられない僕なんですが。(もう3月ですよ!)  高田馬場駅を歩く人達すべてが、来たばかりの3月に しっかりなじんでいるように見えてしかたがなかったんですけども。  そういうわけで、3月にたじたじな僕は仲間がいないものかと まわりを見まわしたのですが、 どうやら駅前のロータリーにいるハトたちでさえ、僕よりしっかり 3月になじんでいるような気がして仕方なりません。  ハトに遅れをとったと感じたのは、これで3回目くらいです。  しかししかし、雲に隠れっぱなしの太陽があやふやに沈みそうなときに、 ふとアナログな腕時計を見てみると、 コイツもまだ3月に馴染めていないらしく、 日付がまだ29日になっていましたとさ。



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